401系・403系

 交流電化の進展に伴い,直流・交流区間を直通運転する列車が増加したため,直流電気機関車と交流電気機関車を付け替えるそれまでの客車列車の運転形態に替わって,交直セクションを高速に通過できる交直流の電車が必要になってきました。この要求に応えて開発されたのが,401系421系です。491系で開発された技術をベースに,シリコン整流器を使用し,車上で簡単に交直切り換えができる交直流電車は,その量産先行車が1960年に完成しました。構成は直流2M電車をベースとしており,M'車の床下に主変圧器,主整流器,リアクトル,屋上にはABB(空気遮断器)などを搭載し,直流1500V区間ではパンタグラフから取り入れた電気をそのまま使用し,交流20kV区間では降圧・整流して使用するシステムとなっています。電動機は出力100kWのMT46,歯車比は4.82,台車はDT21系を採用しました。TcMM'Tcの最小4両編成が組まれ,小豆色の車体にクリームの警戒帯を巻いています。車体は70系の流れを汲んでおり,両開き3扉,セミクロスシート,2段上昇窓を装備して近郊形車両の基準形となりました。1961年に営業を開始しています。(421系と共通内容)
401系
 50Hz用として設計されたのが401系で,取手-藤代間に交直セクションを持つ常磐線用に使用されました。当初401系にはおでこにクリームの細帯が巻かれ50Hz用であることが示され,60Hz用の421系と区別されました。
403系
 403系401系の出力増強形として誕生,主電動機がMT46→MT54となり,出力は100kW→120kWとなっています。トレーラはクハ401で共用です。量産途中からクハは高運転台形,ディスクブレーキ付きに変更されています。

■ 新製車
形式 番号 製造年 主な仕様
モハ401 1-25 1960-1966 401系の中間電動車,モハ400とユニットを組む,主電動機MT46,主制御器,主抵抗器,誘導分流器,20kVA級MG搭載
モハ400 1-25 1960-1966 モハ401とユニットを組む,主電動機MT46,パンタグラフ搭載
モハ403 1-19 1965-1967 403系の中間電動車,主電動機MT54,モハ402とユニットを組む,屋根上通風器はグローブ形ベンチレータ
20 1968 最終増備車,屋根上通風器を押込式に変更
モハ402 1-19 1965-1967 モハ403とユニットを組む,主電動機MT54,パンタグラフ搭載
20 1968 最終増備車,屋根上通風器を押込式に変更
クハ401 1-22 1960-1961 401系1次車,低運転台,3位側にトイレ設置,CP搭載,両渡り構造で方向転換可,当初架線電圧検知器なし
23-50 1962-1966 401系,高運転台車
51-88 1966-1967 403系用制御車として制作,運転台上の通風器を箱形に変更
89・90 1968 最終増備車,屋根上通風器をグローブ形から押込式に変更

クハ401 23-50
No.N8207-8
1982年3月17日
クハ401[23-49奇]他 8両
常磐線 平
平/奇 クハ401+モハ401+モハ400+クハ401+クハ401-45+クハ401-23+クハ400-23+クハ401-46 上野

平駅に進入する赤電401系8両。高運転台,白熱灯のデカ目で堂々としています。前面方向幕は無表示。
(2023/06/27ワイド化)
No.N8207-9
1982年3月17日
K23編成他
クハ401-46他 8両
常磐線 平
平/奇 クハ401+モハ401+モハ400+クハ401+クハ401-45+クハ401-23+クハ400-23+クハ401-46 上野

上と同じ列車,上野方のTc'はシールドビーム改造のクハ401-46でした。側面サボは「上野-平」,全車非冷房です。
(2023/06/27ワイド化)
No.260-10
1992年4月4日
K569編成
クハ401-48他 4両
勝田電車区
奇 クハ401-65+モハ403-8+モハ402-8+クハ401-48 小山

水カツに待機する非冷房のK569編成。扉上部の禁煙車表示も時代を感じます。
(2022/04/04追加)
クハ401 51-88
No.128-32
1986年6月4日
K566編成他
クハ401[51-87奇]他 12両
常磐線 柏
勝田/奇 クハ401+クハ403+クハ402+クハ401+クハ411+モハ415+モハ414+クハ411+クハ411+モハ415+モハ414+クハ411 上野

手前側は非冷房のK566編成4連。
(2015/01/17追加 2023/06/27ワイド化)
No.N8701-16
1987年5月31日
K558編成
クハ401-56他 4両
常磐線 常陸多賀←日立
平/奇 クハ401-55+モハ403-3+モハ402-3+クハ401-56 水戸

JR化以降も4連で常磐線北部の輸送に活躍する非冷房403系。クリーム10号に青帯塗装されています。デカ目の編成もまだまだ健在でした。常磐線の列車は前面方向幕に行き先が出ません。同じ交直流近郊型を使っている九州地区と比べて手を抜いていることがわかります。
(2023/06/27ワイド化)
No.147-17
1987年7月25日
K561編成
クハ401-62他 4両
常磐線 常陸多賀←日立
平/奇 クハ401-61+モハ403-8+モハ402-8+クハ401-62 水戸

上と同じ場所で撮影した4連,K561編成。2738Mは水戸線乗り入れの列車番号です。
(2015/01/18追加)
No.153-31
1988年3月22日
K556編成
クハ401-80他
常磐線 水戸
平/奇 …+クハ401-79+モハ403-15+モハ402-15+クハ401-80 上野

冷房化されJR1周年を前にダイヤ改正のヘッドマークを付けた403系。
(2008/10/13追加 2023/06/27ワイド化)
No.159-01
1988年10月30日
K571編成
クハ401-78他 4両
常磐線 日立→小木津
平/奇 …+クハ401-41+モハ403-14+モハ402-14+クハ401-78 水戸

常磐線を下る非冷房403系4両編成
(2023/06/27追加)
No.172-9
1989年10月10日
K559編成
クハ401-86他 4両
常磐線 高萩→川尻
平/奇 クハ401-85+モハ403-18+モハ402-18+クハ401-86 水戸

デカ目のクハを先頭に4連で走る403系の上り列車,水カツK559編成。
(2008/10/13追加 2023/06/27ワイド化)
No.N9002-22
1990年4月1日
K557編成他
クハ401-81他
快速 ワンダーランド号
京葉線 東京



日立・東京/奇 クハ401-81+モハ403-16+モハ402-16+クハ401-82+ … 南流山

常磐線日立から武蔵野線経由で東京駅京葉線地下ホームに到着した快速ワンダーランド号,K557編成。手前は奇数向きのクハ401-81。
(2022/07/31追加)
No.207-32
1991年2月17日
K568編成
クハ401-62他 4両
常磐線 水戸←勝田


勝田/奇 クハ401-61+モハ403-6+モハ402-6+クハ401-62 小山


友部から水戸線に入線する小山行きの普通列車は4連で運転されていました。非冷房のK568編成。
(2009/04/11追加 2023/06/27ワイド化)
No.301-10
1992年7月11日
K903編成
クハ401-74他 7両
常磐線 赤塚→内原
勝田/奇 クハ401-73+モハ415-701+モハ414-701+サハ411-701+モハ403-12+モハ402-12+クハ401-74 土浦

内原の田園地帯で1500番台の下りと行き違う403系と415系の混合編成。この時期,7両編成の先頭にクハ401が入っているのはこのK903編成だけでした。
(2019/01/14追加)
No.384-12
1998年10月4日
クハ401-84
勝田電車区



勝田区のイベントで展示されたクハ401-84
(2024/09/02追加)
No.384-21
1998年10月4日
クハ401-84 クハ481-38
勝田電車区
勝田区のイベントに展示されたK7編成クハ481-38と並ぶ403系クハ401-84。
(2008/05/02追加 2023/06/27ワイド化)
No.D70s_050723-11
2005年7月23日
K821編成
クハ401-83他 7両
勝田車両センター
奇 クハ401-83+モハ403-17+モハ402-17+クハ401-84+モハ403-16+モハ402-16+クハ401-82

K821編成,クハ401-83です。勝田電車区は2004年4月から勝田車両センターに名称変更されました。
(2013/09/15追加 2023/06/27ワイド化)
No.D70s_050723-12
2005年7月23日
K821編成
クハ401-83他 7両
勝田車両センター



奇 クハ401-83+モハ403-17+モハ402-17+クハ401-84+モハ403-16+モハ402-16+クハ401-82

水カツで待機するK821編成。ヘッドライトは貴重なデカ目です。
(2013/1/20追加 2023/06/27ワイド化)
No.D70s_060305-26
2006年3月5日
K522編成
クハ401-51他 4両
常磐線 佐和→勝田
いわき/奇 クハ411-701+モハ415-707+モハ414-707+クハ401-51 水戸

手前の偶数向きTc'だけグロベンのクハ401の編成。
(2011/12/3追加 2023/07/01 415系のページから移動・ワイド化)
No.D200_070804-10
2007年8月4日
K903編成
クハ401-74他 7両
常磐線 高萩
奇 クハ401-73+モハ415-701+モハ414-701+サハ411-701+モハ403-12+モハ402-12+クハ401-74

高萩駅に疎開留置されたK903編成。上野方先頭はクハ401-74。
(2013/09/15追加 2023/06/27ワイド化)

 2008年4月30日 ページ新設
 2011年12月3日 415系から分離
 2023年6月27日 キャプション欄左右入替完了
 2023年6月27日 写真ワイド化完了
 2023年6月29日 新製車一覧表を追加
 2023年6月29日 写真をイベント毎昇順から形式番台毎時系列に並べ替え
 2023年6月29日 新製車一覧表から各形式番台へのリンクを追加
 2023年9月7日 Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化


■参考文献
 特集:新形国電のあゆみ 小玉光 鉄道ファン Vol.21 No.241 交友社 1981年5月
 JR電車編成表 '92冬号 ジェイ・アール・アール 1992年1月
 Wikipedia 国鉄415系電車


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