EF65
0番台 一般形 500番台 P形・F形 1000番台 PF形

 東海道・山陽本線を運転する20系特急客車はEF60 500番台で運用されていましたが,高速化に伴い機関車の速度向上を図り,併せて高速貨物牽引用としてEF65 500番台の開発が企画され1965年に完成しました。500番台は固定編成客車用(P形)と高速貨物用(F形)に分類されます。一般形と同時進行で増備されたため,形態は501-517号機の1次形(一般形の2次形に相当)と,518号機以降の2次形(一般形の3次形相当)に区分できます。
 P形は,速度によるブレーキ率切換装置を持ち,元空気ダメ圧力を9kg/cm2とし,客車ブレーキの電気指令装置を備えています。またカニパンスイッチと呼ばれる電源車(カニ22)のパンタグラフの非常下げ装置,牽引列車の乗務員との連絡電話装置を設け,車端には元空気ダメ管の空気ホース連結器や,19芯,および9芯のジャンパー連結器栓受が設置されています。
 F形は,上記の装置の他,制御回路を重連総括制御方式に変更し,また車端連結器は空気管付密着自動連結器に変更されています。しかし車体は非貫通のままとされました。

■ 新製車
分類 用途 機関車番号 製造所 発注区分名 発注名目 仕様変更点・新製配置
1次形 P形 EF65 501 EF65 502 川崎車輌・川崎電機 昭和39年度
第3次債務
中央線電化・増発用 EF65 48-57号機と同一形態,ブルトレ牽引用,東京区新製配置
EF65 503 EF65 504
EF65 505 EF65 506
EF65 507 EF00 000
川崎車輌・川崎電機 昭和39年度
第5次債務
東海道本線等貨物列車増発用 ブルトレ牽引用,東京区新製配置
EF65 508 EF65 509
EF65 510 EF65 511
EF65 512 EF00 000
東洋電機・汽車製造
F形 EF65 513 EF00 000 川崎車輌・川崎電機 高速貨物牽引用,10000系貨車量産開発より1年先行して落成,東京区に新製配置され試験時以外はブルトレ牽引に流用
EF65 514 EF00 000 東京芝浦電気
EF65 515 EF00 000 東洋電機・汽車製造
EF65 516 EF65 517 日本車輌・富士電機
2次形 F形 EF65 518 EF65 519
EF65 520 EF00 000
東京芝浦電気 昭和40年度
第2次民有
山陽本線広島-幡生間貨物列車完全無煙化用 0番台2次形と同形態,抵抗バーニア制御器をCS29に変更,復心装置防塵カバー取付け,後部標識灯変更,1966年10月改正からの高速貨物列車牽引用先行車,吹田二区に新製配置
EF65 521 EF65 522 東洋電機・汽車製造
EF65 523 EF00 000 日本車輌・富士電機
EF65 524 EF65 525
EF65 526 EF00 000
川崎車輌・川崎電機
P形 EF65 527 EF00 000 東京芝浦電気 東京区でP形と混用の513-517号機置換え用,東京区に新製配置
EF65 528 EF00 000 東洋電機・汽車製造
EF65 529 EF00 000 日本車輌・富士電機
EF65 530 EF65 531 川崎車輌・川崎電機
F形 EF65 532 EF65 533
EF65 534 EF00 000
東京芝浦電気 昭和40年度
第2次債務
高速貨物本運用対応用 ブレーキ増圧回路を編成増圧仕様から単機増圧仕様に変更,吹田二区に新製配置

■ EF65一般形からP形への改造車
改造出場車 入場種車 改造工事 用途 改造竣工年月日 改造内容
機関車番号 配置 機関車番号 配置
EF65 535 稲沢第二* EF65 77 稲沢第二 浜松工場 P形 1968年7月6日 客車固定編成用ブレーキ装置(増圧及び引き通し), バッテリ新設
EF65 536 稲沢第二* EF65 78 稲沢第二 1968年7月18日
EF65 537 稲沢第二* EF65 79 稲沢第二 1968年9月5日
EF65 538 稲沢第二* EF65 80 稲沢第二 1968年8月10日
EF65 539 稲沢第二* EF65 81 稲沢第二 1968年7月29日
EF65 540 稲沢第二* EF65 82 稲沢第二 1968年6月28日
EF65 541 稲沢第二* EF65 83 稲沢第二 1968年8月22日
EF65 542 稲沢第二* EF65 84 稲沢第二 1968年9月17日
*書類上,一旦稲沢第ニ区に戻った後東京機関区へ転属

EF65 501
No.137-10
1986年10月10日
EF60 501, EF65 501[高二]
高崎第二機関区
特急塗色が特徴であるEF65 500番台は高速列車牽引用で,特急旅客牽引用のP形と高速貨物列車用のF形に分類されます。両者には本質的な差異はありませんが,F形は重連総括制御のできる装備を持っています。P形はEF60 500番台の後継機として製作され,ブレーキの増圧装置と電気指令装置が新設されています。その他の車体の特徴は,EF65一般形と共通であり,501-512号機は一般形の2次形と同様な車体を持っています。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.137-7
1986年10月10日
EF60 501, EF65 501[高ニ]
高崎第二機関区
懐かしい「東」マーク入りです。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.D700_181013-051
2018年10月13日
EF65 501
高崎駅構内



懐かしいあさかぜヘッドマークを掲出して公開展示されました。
(2018/10/14追加)
No.D700_181013-121
2018年10月13日
EF65 501, EF65 1102
高崎駅構内
東海道ブルトレ牽引機としてはP形が一番すっきりしているように思います。
(2018/10/14追加)
No.D700_181013-122
2018年10月13日
EF65 501, EF65 1102,
EF66 27
高崎駅構内
ニーナも駆けつけて東海道ブルトレ歴代3形式の揃い踏みとなりました。
(2018/10/14追加)
No.D700_181013-143
2018年10月13日
EF65 501他
高崎駅構内
今となっては,この5両を揃えるのは結構大変です。
(2018/10/14追加)
No.D700_181013-163
2018年10月13日
EF64 1001, EF64 1053,
EF65 501
高崎駅構内
こちらはあまりない並びが実現。
(2018/10/14追加)
EF65 503
No.60-33
1984年7月22日
EF65 503[沼]+ワム他
貨物列車
東海道本線 山崎→高槻
百山踏切付近を通過するP形牽引貨物。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 507
No.376-36
1998年1月25日
EF65 507[高]+トキ+タキ
安中貨物
両毛線 思川←小山
安中行きの東邦亜鉛貨物を牽引する更新色507号機。筑波山がよく見えています。
(2006/10/09追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 508
No.132-31
1986年8月2日
EF65 508[高ニ]+
ワム/トラ/トキ/ヨ
貨物列車
上越線 渋川
P形の508号機牽引貨物が暑い渋川駅に入線。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 509
No.128-24
1986年6月2日
EF65 509[新]+チキ
工臨
東海道本線 川崎
P形の509号機が牽引するロングレール運搬用工臨です。パンタグラフを降ろして待機中。
(2006/09/23追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 510
No.134-29
1986年10月6日
EF65 510[高ニ]+12系
 お座敷列車 やすらぎ
東北本線 東十条付近
P形の510号機が牽引する高タカのお座敷列車「やすらぎ」 カマの前面がかなり汚れています。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 513
No.36-15
1984年3月17日
EF65 513[沼]+ワム/コキ
3876レ
東海道本線 芦屋→西ノ宮
F形のトップナンバーであるEF65 513号機。F形は電磁弁制御引通しとしてKE72ジャンパ連結器があり,また重連総括用制御線引通しとしてKE70-6ジャンパ連結器がスカートに取り付けられています。F形はこのように重連総括制御を備えていますが,EF66登場までのつなぎとして設計されたため,貫通扉は設けられていない,異例ともいえる機関車です。当時ヘッドライトは基本的に夜間しか点灯しなかったので,ファンサービスで点けてくれると嬉しかったものです。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 514
No.104-17
1985年7月18日
EF65 514[沼]+小田急3100形
甲種輸送
東海道本線 富士←富士川
小田急3100形NSE車の更新改造出場シーンですが,突然やって来たためまともに写真を撮れませんでした。牽引機のEF65 514号機は,東京芝浦電気で製造され1965年10月7日に落成,東京機関区に新製配置されました。その後,吹田第二区,新鶴見区,広島区,吹田第二区,沼津区,と移動しています。その後,1986年11月2日に高崎第二機関区に移動,2005年3月30日に廃車になりました。
(2023/02/06追加)
EF65 516
No.23-36
1983年10月23日
EF65 516[吹ニ]+コキ
東海道本線 芦屋←西ノ宮
F形の516号機が先頭に立つフレートライナー。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.54-15
1984年5月16日
EF65 516[吹ニ]+コキ/ワム
1083レ
東海道本線 西ノ宮→芦屋
コンテナ,タンク,ワムの付いた長大な貨物列車を牽引するEF65 516号機。
(2023/02/06追加)
No.54-17
1984年5月25日
EF65 516[吹ニ]+ワム/コキ/タキ
3876レ
東海道本線 芦屋→西ノ宮
夙川を渡り西ノ宮に向け築堤を疾走するEF65 516号機牽引貨物列車。
(2023/02/06追加)
EF65 517
No.84-33
1984年12月12日
EF65 517[沼]+ワム他
貨物列車
東海道本線 大高→共和
F形のEF65 517号機牽引の貨物列車。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 518
No.33-20
1984年2月12日
EF65 518[沼]+12系
ナノ座 白樺T
東海道本線 芦屋→西ノ宮
珍しくF形のEF65 518号機が白樺Tを牽引。EF65 518-526号機は昭和40年度第1次民有の予算区分にて製造された機関車。518号機は1966年2月15日に東京芝浦電気で新製され,吹田第二機関区に配置されています。1968年12月に雪害対策のため大宮工場で改造されツララ切りを装備しています。その518号機,吹田第二区から1984年2月4日に沼津区へ転属になったばかりです。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.69-4
1984年9月15日
EF65 518[沼] 貨物
東海道本線 高槻→山崎
百山踏切付近を通過するF形牽引貨物。F形のうち518-522,526号機の6両が1968年秋に上越線運転用に改造され,前面窓上部のツララ切りと汽笛カバーが取付けられています。
(2012/09/23追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 519
No.69-28
1984年9月20日
EF65 519[沼]+ナノ座
東海道本線 芦屋→西ノ宮
定点AをゆくEF65 519号機牽引貨物。青帯の冷凍車が2両含まれています。EF65 519号機は1966年2月23日に東京芝浦電気で新製されています。吹田第二区→新鶴見→広島→米原→吹田第二→沼津と転属,その後高崎第二→JR貨物高崎で2000年12月6日に廃車となっています。
(2008/10/05追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 520
No.45-2
1984年4月7日
EF65 520[稲ニ]+ワム
東海道本線 菊川→金谷
カナキクのカーブをゆくF形,EF65 520号機牽引貨物列車。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.439-13A
2005年6月25日
EF65 520
碓氷峠鉄道文化むら


安住の地に納まった520号機。2002年3月15日廃車。最後の所属区はJR貨物高崎区でしたが,文化むらでは1969年から1975年まで過ごした「広」の区名札が入っていました。
(2006/09/22追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 523
No.128-14
1986年6月2日
EF65 523[稲ニ]+12系リウ座
東海道本線 横浜←川崎
F形のEF65 523号機が竜華区のお座敷列車を牽引して首都圏へ。EF65 523号機は1966年3月に日本車輌・富士電機で製造されました。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 524
No.99-21
1985年4月28日
EF65 526とEF65 524[稲ニ]
米原機関区
米原機関区撮影会の際に駐機していた2両。
(2009/07/20追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 526
No.38-26
1984年3月27日
EF65 526[稲ニ]+タキ
東海道本線 芦屋→西ノ宮
EF65 526号機は川崎車輌・川崎電機により1966年2月24日に落成,吹田第二機関区に新製配置されました。1968年9月17日に新鶴見区,1969年11月19日に下関区,1972年10月1日に広島区,1975年3月8日に米原区,そして1984年1月31日に稲沢二区と転属してきました。
(2023/02/05追加)
No.50-25
1984年4月22日
EF65 526[稲ニ]+コキ
東海道本線 草津→守山
EF65 526号機牽引のコンテナ列車,架線の位置が高いようでパンタグラフを伸ばしています。
(2023/02/05追加)
No.60-27
1984年7月22日
EF65 526[稲ニ]+コキ/コキフ
東海道本線 高槻→山崎
百山の撮影地を通過するEF65 526号機牽引のコンテナ列車。
(2023/02/07追加)
No.84-11
1984年12月12日
EF65 526[稲ニ]+タキ
東海道本線 関ヶ原←新垂井
EF65 526号機牽引のタンク車。EF65 526号機は新鶴見区時代の1968年11月に大宮工場で雪害対策改造工事を受け,ツララ切りを装備しています。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 532
No.57-2
1984年7月3日
EF65 532[稲ニ]+EF65+タキ
5680レ
東海道本線 摂津本山→芦屋



F形のEF65 532号機牽引のタンク車,次位にEF65の無動力回送車が連結されています。EF65 532号機は昭和40年度第2次債務にて東京芝浦電気で製造され1966年8月10日に落成,吹田第二機関区に新製配置されました。1968年9月18日に新鶴見区,1969年11月1日に下関区,1972年10月2日に広島区,1975年4月11日に米原区,1984年1月29日に稲沢二区に移動しています。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
EF65 535
No.60-19
1984年7月22日
EF65 535[沼]+DE10+ヨ
東海道本線 高槻→山崎
EF65 535号機牽引の配給列車。DE10が連結されています。EF65 535号機は1968年7月に浜松工場において77号機からP形改造されました。
(2006/09/22再スキャン 2023/02/06ワイド化)
No.81-20
1984年11月18日
EF65 535+ワム
東海道本線 安土←能登川
栄光の535号機牽引の貨物列車。
(2010/06/08追加 2023/02/06ワイド化)
No.154-13
1988年4月2日
EF65 535[高ニ]+ホキ2200×16B
東北本線 東大宮←蓮田
ヒガハスをゆく535号機牽引ホキ2200の見事な編成。
(2006/05/06追加 2023/02/06ワイド化)
No.D200_100522-13
2010年5月22日
EF65 535
大宮総合車両センター
JRおおみや鉄道ふれあいフェア2010で展示された535号機。1END側には惜別マークが掲げられました。この日は2時に自宅をでて岡部-本庄で能登とあけぼのを撮影後,8時に大宮入り。朝食後,長い列に並んで形式写真を撮影しました。
(翌日追加 2023/02/06ワイド化)
No.D200_100522-22
2010年5月22日
EF65 535
大宮総合車両センター
2END側は午前中「富士」マーク。区名札はもちろん東が入っています。このカマは白Hゴムであり,ブルトレ牽引時代の状態を良く残していると思います。サイドが順光になっていないので,会場内をぶらぶら見学していましたが,グッズ売り場や展示が数多くあり,楽しめました。
(翌日追加 2023/02/06ワイド化)
No.D200_100522-23
2010年5月22日
EF65 535
大宮総合車両センター



引きがない場所からのギリギリ撮影。
(2023/02/06追加)
No.D200_100522-68
2010年5月22日
EF65 535
大宮総合車両センター
サイドから2END側
(2023/02/06追加)
No.D200_100522-79
2010年5月22日
EF65 535
大宮総合車両センター
午後まで待ってそろそろ順光かと思ったら薄曇になってしまいました。2END側は「はやぶさ」にチェンジされています。
(翌日追加 2023/02/06ワイド化)
EF65 540
No.42-33
1984年4月1日
EF65 540[新]+ワム
東北本線 東大宮←蓮田
ヒガハスをゆくEF65 540号機牽引貨物列車。EF65 540号機は,EF65 82号として川崎車輌・川崎電機にて製造,1967年3月10日に落成し稲沢第二機関区に新製配置されました。P形への改造のため浜松工場に入場し,1968年6月27日,EF65 540号機として出場,翌6月28日東京機関区に配置されました。ブルトレ牽引で活躍の後,1978年9月1日に新鶴見機関区に転属しています。
(2023/02/05追加)
No.133-9
1986年8月3日
EF65 540[新]
新鶴見機関区



EF65 540号機が新鶴の撮影会に登場。EF65 540号機は1968年6月に浜松工場においてP形改造されました。
(2006/09/22再スキャン)

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■参考文献
 特集 国鉄の新形直流電機 鉄道ファン 186 1976年10月号 交友社
 藤本勝久 近代形電機転身の記録 [2] 鉄道ファン348 1990年4月号 交友社
 直流電気機関車EF65 国鉄新性能電機の軌跡 イカロス出版 2008年8月

0番台 一般形 500番台 P形・F形 1000番台 PF形

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