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70系客車

 70系客車は,運輸省鉄道総局が1946〜1950年に製造した戦災復旧車で,太平洋戦争による被災で使用不能になった客車・電車の台車・台枠・鋼体を再利用し車体のみ新製した車両です。側扉は20m車においては3扉,17m車においては2扉で,デッキは無く,座席はロングシート,照明は裸電球,暖房は無いなど簡素な構造とされていました。

車種 形式 (改造は一部のみ記載) 特徴
三等車 オハ70 車体長17mのオハ31系,電車では30系,31系,50系の被災車を種車とし113両を製造 
オハ71,オハフ71 車体長20mのスハ32系,オハ35系,電車では40系,51系,63系,32系,42系の被災車を種車とし,オハ71は0番台132両,500番台22両,オハフ71は2両を製造
オハ77 食堂車・寝台車など車体長20mかつ3軸ボギー車を持つグループの復旧車両で29両を製造,1953年の車両称号規定改正でオハ78に改称
郵便車 スユ71 車体長20m,1947年から1948年に15両が製造,荷重13t
[改]スユ71→スユ72 車体長20m・2軸ボギー車,車掌室と車掌用出入台を設置,スユ71形全車
郵便・荷物合造車 オユニ70 車体長17m,1950年に5両製造
[改]オハ71→オハユニ71 車体長20m・2軸ボギー車,20両改造
[改]オハ71→オユニ71 車体長20m・2軸ボギー車,10両改造
[改]オハ71/オハフ71→スユニ72 車体長20m・2軸ボギー車,40両改造
[改]オハ78→マユニ78 車体長20m・3軸ボギー車,29両改造
荷物車 オニ70 車体長17m,1947年から1948年に8両製造
スニ71,マニ72,マニ77 車体長20m,スニ71は1947年から1949年に17両製造,後にマニ71に改称。マニ72は1950年に25両製造,台車はTR23で1両のみTR13。マニ77は車体長20m,3軸ボギー車を持つグループの名称,1947年に6両製造,1953年にマニ78に改称
[改]オハ70→スニ73,スニ75 車体長17mの荷物車
[改]オハ71→マニ74 車体長20m・2軸ボギー車,46両改造,荷重13t
[改]オハ71→マニ76 車体長20m・2軸ボギー車,0番台37両,40番台1両,90番台3両改造,荷重14t
試験車 スヤ71 クハ55069の車体を用いて1949年に1両製造
救援車 [改]オニ70/スニ73/スニ75/オユニ70→オエ70 車体長17m,63両改造
[改]マニ71/マニ72/マニ74/オハユニ71/スユ72/オユニ71/マニ76/スユニ72/オル71 → スエ71 車体長20m・2軸ボギー車,1960年から1967年に103両改造
[改]マニ78/マユニ78 → スエ78 車体長20m・3軸ボギー車,15両改造
職用車 [改]スニ73→オヤ70 車体長17m,1両改造
配給車 [改]マニ74/オハユニ71 → オル71 車体長20m・2軸ボギー車,1961年に4両改造
各形式とも電気暖房付は基本番号+2000を付与

スエ71
No.6-1
1983年7月11日
スエ71 2 [大ミハ]
[70系客車]
宮原機関区
宮原区のスエ71 2はマニ74 2を改造した救援車で,両開きの大型扉のほかに片開きの扉を持っています。マニ74 2はもともとオハ71 108で,西鹿児島工場で改造されています。
オハ71 108 → マニ74 2 → スエ71 2
(許可を受けて撮影 2022/10/06 ワイド化)
スエ78
No.17-15
1983年8月20日
スエ78 4 [釧オヒ]
[70系客車]
根室本線 帯広
3軸ボギー車TR71を履く救援車スエ78 4は,戦災復旧車オハ77として製作され,1953年の称号規定改正でオハ78に改番,同年に郵便荷物車マユニ78として改造されました。その後1965年に救援車スエ78 4となっています。
(2022/10/06 ワイド化)
No.D200_090817-120
2009年8月17日
スエ78 5 [旭エン]
[70系客車]
小樽市総合博物館(手宮)
手宮に保存されているスエ78 5。戦災復旧車オハ77 20を郵便荷物車に改造したマユニ78 7をさらに旭川工場で救援車に再改造した車両です。
(2022/10/07追加)
No.D200_090817-121
2009年8月17日
スエ78 5
[70系客車]
小樽市総合博物館(手宮)
大変貴重な3軸ボギー台車,TR71です。
(2022/10/07追加)
No.132-21
1986年8月2日
EF55 1+スエ78 15+旧客
9730レ
上越線 渋川←敷島
スエ78 15はマユニ78 21を改造した救援車です。EF55 1の次位に付いているのがスエ78 15で,JR移行後も高崎車両センターに車籍を残し,他の保存旧客とともにEF55やEF58などとイベント列車で活躍,3軸ボギー台車の転動音を沿線に響かせましたが,台枠に亀裂が見つかったため2008年冬に解体され,これをもって70系客車は系列消滅となりました。
(2022/10/07追加)

 2008年10月18日 スロ81・スロフ81系のTESTページ新設
 2009年3月16日 旧型客車のTESTページ新設
 2009年5月16日 キャプション記載
 2022年9月29日
    〜10月4日 形式一覧表作成
 2022年10月4日 スロ81・スロフ81のページを本ページの60系客車に集約
 2022年10月4日 職用車のページからオヤ31,スヤ42,スヤ32,スヤ52,オエ61を本ページに移設
 2022年10月6日 写真ワイド化完了
 2022年10月7日 オハ31系,スハ32系,オハ35系,70系,60系,スハ43系,10系の各ページに分割
 2022年10月7日 形式一覧表に各形式の概要記載

■ 参考文献
 Wikipedia 国鉄70系客車


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