EF57

 EF57は1940(昭和15)年に1号機が登場した旅客用直流電気機関車です。当初,EF56 13号機として出場する予定でしたが,275kWの強力主電動機MT38を搭載して定格出力が従来のEF56の1,350kWに対し1,650kWにアップしたため新形式EF57が割り当てられました。軸配置は2C+C2,全長19,920mm,運転整備重量110.82t,動輪上重量83.70t,歯車比1:2.63,最高速度95km/h,定格速度79km/hとなっています。また,EF56形と同様,客車暖房用の蒸気発生装置(SG)を搭載しています。翌1941(昭和16)年に登場した量産型の2号機以降では,浜松電化に際しパンタグラフ取付高さを抑える必要が生じたため,パンタグラフの取り付け位置を運転席前方に張り出すことで100mm下げる対応をとっており,外観上の大きな特徴となっています。EF57形は1943(昭和18)年までに全15両が製造されました。

分類 機関車番号 製造年 製造所 相違点,経歴
初号機 EF57 1 1940年 日立製作所 パンタグラフが車体中央にに寄る。1978年廃車
量産機 EF57 2 1941年 川崎車輌 パンタグラフが前方に張り出す(2〜15号機),1975年廃車
EF57 3 1941年 川崎車輌 1977年廃車
EF57 4 1941年 川崎車輌 1977年廃車
EF57 5 1941年 川崎車輌 1977年廃車
EF57 6 1941年 川崎車輌 1976年廃車
EF57 7 1942年 日立製作所 1978年廃車 1980年から宇都宮駅東公園で保存
EF57 8 1942年 日立製作所 1976年廃車
EF57 9 1942年 日立製作所 1976年廃車
EF57 10 1943年 日立製作所 1975年廃車
EF57 11 1943年 日立製作所 1977年廃車
EF57 12 1942年 川崎車輌 1946年5月国府津駅構内の事故で大破し1948年11月廃車
EF57 13 1942年 川崎車輌 1977年廃車
EF57 14 1943年 川崎車輌 1976年廃車
EF57 15 1943年 川崎車輌 1976年廃車

EF57 7
No.D70s_060503-52
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園

EF57 7号機は1942(昭和17)年9月30日に日立製作所にて新製。沼津機関区に配置されました。1951(昭和26)年浜松機関区,1953(昭和28)年沼津機関区,1956(昭和31)年長岡第二機関区,1960(昭和35)年宇都宮機関区(1961年11月1日から宇都宮運転所に改称)と移り,1978(昭和53)年9月26日に宇都宮運転所で廃車となりました。1980年6月から,ゆかりの地である宇都宮運転所に程近い公園のプール脇に屋根つきで保存されています。訪問した時は午後のため半逆光になってしまいました。
(2022/09/25 表示バグ修正,ワイド化)
No.D70s_060503-55
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園
1END側から公式側側面。覆い屋根の支柱が多く撮影は難しいです。
(2022/12/20追加)
No.D70s_060503-59
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園
側面から1END側。先台車,デッキに突き出したパンタグラフなど特徴がよくわかります。
(2022/09/25ワイド化)
No.D70s_060503-60
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園
EF57形は新製当初,沼津機関区に配置され,東海道本線で活躍しました。1948年11月に12号機が事故で廃車となっています。1956年以降はツララ切りやスノープラウ取り付け座を追加するなど耐雪化工事を行い,高崎第二機関区ならびに長岡第二機関区に配置され,高崎・上越線で使われました。1960年から1961年にかけて宇都宮運転所に14両が集結し,東北本線で使われました。
(2022/12/20追加)
No.D70s_060503-61
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園
2END側。
(2022/12/20追加)
No.D70s_060503-67
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園



1END側。EF58と同じスノープラウ取付座を付けています。また,側面には電暖(EG)表示灯が見えます。1960年から1961年にかけEF57形14両が宇都宮運転所に集結した後,1965年から1966年にかけて電気暖房化(EG化)が実施され,暖房用ボイラーと燃料・水タンクを撤去して交流電源用の電動発電機(MG)と電暖表示灯を設置しています。確かにEGはSGに比べてメンテナンスの点で格段に優れていますね。
(2022/12/20追加)
No.D70s_060503-77
2006年5月3日
EF57 7
宇都宮駅東公園
1END側運転席のアップ。EF57 2〜15号機のパンタグラフは,取り付け高さを抑えるために車体前方にオーバーハングして設置されています。張り出したパンタグラフとの干渉を避けるため,前照灯は正面扉のすぐ上に設置されています。
(2022/12/20追加)

 2008年1月27日 ページ新設
 2022年9月25日 写真ワイド化完了
 2022年9月25日 キャプション欄左右入替完了
 2022年12月21日 形式一覧表を追加

■ 参考文献
 Wikipedia 国鉄EF57形電気機関車


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