京都市電
■ 　京都では1895年に民間の京都電気鉄道により伏見線七条停車場‐下油掛(京橋)間が開業，琵琶湖疏水による水力発電の電力を利用した日本初の一般営業用電車として広く知られています。1912年には京都市により千本大宮線，四条線，七条線，東山線，今出川線などが開業，1918年には京都市が京都電気鉄道を買収して路線網を広げ，1969年には営業キロ68.8km，停留所数163駅となりました。しかし自動車の増加に伴い徐々に路線は縮小され，1978年9月30日に全廃されました。 ■ ■主な車両 (撮影済系列のみ) 型式 車両番号 車両数 製造(改造)年 主な特徴 狭軌1形 1‐133 133 1918* 梅鉢鉄工所製,通称N電,正面窓無しオープンデッキ,台車ブリル21‐E･単車 広軌1形 1‐171 171 1912‐1921 梅鉢鉄工所製,オープンデッキ,170,171は貴賓車1,2号車から改造 500形 501‐540 40 1924‐1928 京都で最初の低床大形3扉ボギー車,1924年製501‐510,1925年製511‐517,1928年製518‐540に区分され,後期23両は御大典対応車 700形 701‐748 48 1958‐1962 ナニワ工機製,準張殻構造の軽量車体,浅い屋根,大きなアルミサッシ窓と4枚折戸が特徴,701‐723は直接性御車,廃車発生品を再用,724‐748は純新車で間接自動進段式 800形 801‐890 90 1950‐1955 600形をベースに車体を12mに伸張,張り上げ屋根半鋼製車体,801‐865･881‐890は直接制御,866‐870は間接自動制御,定員76名 900形 901‐935 35 1955･1957 全長12.9m,800形より窓1個分車体が長く前面中央部の窓が広い,901‐915は1955年製の間接制御車,916‐935は1957年製の直接制御車 1600形 1605‐1667 63 (1966‐1968) 600形のワンマン化改造車,前照灯の60Wシールドビーム2灯化,前面方向幕上部にワンマンカー表示行灯取付け,ビューゲル自動起倒装置取付け,バックミラー取付け等 1800形 1801‐1870 70 (1968‐1970) 800形のワンマン化改造車,種車は801‐870, 600形→1600形と同様な内容に加え後部扉を閉鎖し中央に降車扉を新設,元番号+1000 1900形 1916‐1931 16 (1970) 900形916‐931をワンマン化改造,800形→1800形と同様の改造工事施工, 元番号+1000, 1922号は1974年事故廃車 市電廃止に伴い15両を広島電鉄に譲渡[広島電鉄1900形] 2000形 2001‐2006 6 1964‐1965 ラッシュ時の連結運転とワンマン運転の両方に対応可能な中型車,準張殻構造の鋼製車体,ノーシル･ノーヘッダー構造,張り上げ屋根,車体長11,300mm *京都電気鉄道から京都市への引継ぎ年,製造年は1910年前後 ■
狭軌1形　(1‐133)
No.D700_141011‐391 2014年10月11日 狭軌1形 27号 梅小路公園 Liイオンバッテリ電源に改造されているオープンデッキの27号，新車の輝き。このホームは３線軌道になっています。 (2014/10/18追加)
No.D700_150815‐135 2015年8月15日 狭軌1形 27号 梅小路公園市電ひろば	Liイオンバッテリ電源で走行するハイテクな狭軌1形27号 (2015/8/22追加)
No.D700_180503‐307 2018年5月3日 狭軌1形 2号 平安神宮南神苑	北野線で1961年まで活躍した狭軌1形2号。廃止当時の姿･塗色のまま保存されています。2020年に国の重要文化財に指定されました。 (2024/05/08追加)
No.D700_180503‐308 2018年5月3日 狭軌1形 2号 平安神宮南神苑	車体にサビが浮いてますが屋根があり有料の敷地内であることが幸いして傷みは少ないように見えます。これと同形の狭軌1形3号が1960年代に聖護院の京都大学付属病院に保存されており，自分は物心つく前から京都に来るとこの電車に乗って遊んでいました。
No.D700_180503‐309 2018年5月3日 狭軌1形 2号 平安神宮南神苑 運転台と乗降口を兼ねたオープンデッキ部
広軌1形　(1‐171)
No.D700_141011‐389 2014年10月11日 広軌1形 29号 梅小路公園	格調高い広軌1形29号車。保存状態も良いようです。 (2014/10/18追加)
500形　(501‐540)
No.D700_141011‐191 2014年10月11日 500形 505号 梅小路公園市電ひろば 市電カフェになっている505号。1924年(大正13年)田中車輛製の3扉ボギー車。 (2014/10/18追加 2024/05/08シャドー調整)
No.D700_141011‐199 2014年10月11日 500形 505号 梅小路公園市電ひろば	扉の窓上部のRが特徴的な505号 (2024/05/08追加)
No.D700_141011‐200 2014年10月11日 500形 505号 梅小路公園市電ひろば	505号中央部の両開き扉 (2024/05/08追加)
700形　(701‐748)
No.D700_141011‐142 2014年10月11日 700形 703号 梅小路公園市電ひろば 700形は800形や900形よりも後となる1958年から製造された車両で，900形までのスタイルを継承しつつ準張殻構造の軽量車体や幅1mの４枚折戸を採用しています。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐144 2014年10月11日 700形 703号 梅小路公園市電ひろば	703は市電ショップになっていますが9時台に行ったのでまだ営業時間前。 (2014/10/18追加　2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐153 2014年10月11日 700形 703号 梅小路公園市電ひろば	市章が輝く703号。深緑が鮮やか。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐192 2014年10月11日 700形 703号 梅小路公園市電ひろば 700形の特徴である4枚折り戸。 (2014/10/18追加)
800形　(801‐890)
No.D700_141011‐154 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば 800形ラストナンバーの890号，最後までワンマン化改造はされませんでした。 (2014/10/18追加 2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐150 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば サイド中央の市章とナンバー (2024/05/09追加)
No.D700_141011‐163 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば	傾斜のついた前面３枚窓が上品な800形 (2014/10/18追加　2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐170 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば	懐かしいにおいのする木の床と青いモケット。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐174 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば	三菱製のマスコン (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐179 2014年10月11日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば 運転席には座席がありません。N電以来の伝統。 (2014/10/18追加 2024/05/09シャドー調整)
No.D700_150815‐130 2015年8月15日 800形 890号 梅小路公園市電ひろば	890の車内，再訪時に撮影 (2015/8/22追加)
900形　(901‐935)
No.D700_141011‐129 2014年10月11日 900形 935号 梅小路公園市電ひろば	全長12.9m，堂々たる風格の900形最終ナンバー935号。休日のみ案内所になっています。塗装が新しく新車の輝き。 (2014/10/18追加　2024/05/08シャドー調整)
No.D700_141011‐133 2014年10月11日 900形 935号 梅小路公園市電ひろば	逆サイド側。900形は800形に比べ車体長が930mm伸び扉間窓10個となっています。 (2024/05/09追加)
No.D700_141011‐136 2014年10月11日 900形 935号 梅小路公園市電ひろば 後年1900形に改造されていますが，オリジナルは１灯。 (2014/10/18追加 2024/05/08シャドー調整)
No.D700_141011‐138 2014年10月11日 900形 935号 梅小路公園市電ひろば	緑に溶け込んでます。やはり扉は両端にある方がバランス良く窓も揃って美しいです。 (2014/10/18追加)
1600形　(1605‐1667)
No.D700_141011‐157 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば オレンジラインの入ったワンマンカー1605。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐158 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば ２灯化されたおなじみの顔 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐164 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば	600形をワンマン化改造した1600形。600形は601‐685が全長10,700mm，686‐695が11,000mm，定員84名，戦前製の京都市電を代表する形式で「青電」として親しまれてきました。63両がワンマン化され1605‐1667に改番されましたが，800形や900形のような扉の移設はされておらず8枚の側窓が美しく並んだサイドビューが保たれています。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐165 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば 正面窓の上は，下側が方向幕，上側はワンマンカの行灯です。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐181 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば 正面窓とバックミラー。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐183 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば	低い位置に付けられた切り抜き文字のナンバー (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐190 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば ワンマンカー，1605の車内。赤いモケットと，木張りの床。 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐196 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば	サイドの ワンマンカー表記とオレンジ帯 (2014/10/18追加)
No.D700_141011‐198 2014年10月11日 1600形 1605号 梅小路公園市電ひろば	890と並ぶ1605。24mmでギリギリ。 (2014/10/18追加)
1800形　(1801‐1870)
No.N7801‐4 1978年9月15日 1800形 1842号 五条坂→馬町	この時期，京都の市電は最末期を迎え，馴染みの深かった丸太町線や河原町線も既になく，外周線のみ運転されていました。それもこの9月30日で全廃になると聞き，小雨降る敬老の日，愛機ニコマート片手に上洛しました。五条坂に到着する頃には幸い雨も上がって市電最後の活躍を撮影できました。東山五条，西大谷本廟前をゆく22系統の1800形。 (2024/05/08ワイド化)
No.N7801‐5 1978年9月15日 左 1800形 右 1800形 1817号 京都駅行 五条坂	ブレてしまっていますが，狭い五条坂電停に停車する京都駅行きの1817と烏丸車庫方面行き1800形のすれ違いです。撮影からほぼ30年経過しており，周りの車もみな古い。 (2024/05/08ワイド化)
No.N7801‐11 1978年9月15日 1800形 1853号 6系統 京都駅行 知恩院前→祗園	京都市電でも私にとって最も印象の深い祗園石段下。京都駅行きの1853。祝日の国旗をつけています。四条線在りし頃は河原町から八坂神社を目指して東進してきた市電が南北どちらにも曲がれるようになっていました。そして，市電通過の度にポイントを渡る音が響いたものでした。 (2024/05/08ワイド化)
No.N7801‐12 1978年9月15日 左 1800形 1853号 6系統 京都駅行 右 1800形 1818号 22系統 烏丸車庫行 祗園	祗園電停で烏丸車庫前行き1818と上の写真の1853がすれ違い。最後の活躍をカメラに収めようとするファンの姿も見受けられます。 (2024/05/08ワイド化)
No.N7801‐13 1978年9月15日 右 1800形 1806号 6系統 烏丸車庫行 左 1800形 京都駅行 祗園	八坂神社の石段の上から撮影。松ノ木がかかってあまりパッとしない出来です。後ろに弥栄会館の緑の屋根が見えています。 (2024/05/08ワイド化)
No.N7801‐15 1978年9月15日 1800形 1862号 6系統 祗園	背景にこだわって祗園で撮影しましたが，車を避けるのが難しくどうしても掛かってうまく撮れませんでした。せっかくここまで出てきたのにフィルム代を気にして枚数を撮らなかったので，その後一生悔やむことになりました。 (2024/05/08ワイド化)
1900形　(1916‐1931)
No.N7801‐14 1978年9月15日 1900形 1910号 22系統 九条車庫行 知恩院前	1800形は正面窓上左右のルーバが台形であるのに対し，1900形は長方形であることで違いがわかります。知恩院の門柱を入れて撮影した22系統九条車庫行き1910号。 (2024/05/08ワイド化)
2000形　(2001‐2006)
No.D700_141011‐222 2014年10月11日 2000形 2001号 梅小路公園 梅小路公園の西側に置かれている2001号。 (2014/10/18追加 2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐224 2014年10月11日 2000形 2001号 梅小路公園 テールサインが目新しいです。 (2014/10/18追加 2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐225 2014年10月11日 2000形 2001号 梅小路公園	この2001も休日の総合案内所として利用されています。雨ざらしなので痛みが心配です。 (2014/10/18追加　2024/05/09シャドー調整)
No.D700_141011‐231 2014年10月11日 2000形 2001号 梅小路公園	後ろは見覚えのある日通倉庫。きれいに整備されました。 (2014/10/18追加)
No.D850_221228‐264 2022年12月28日 2000形 2001号 梅小路公園	市電廃止から40年以上経過し，市電の保存状況も変化を感じます。JR梅小路京都西駅が開業，上の写真の日通倉庫はホテルになり，スターバックスコーヒーの入るVIVA SQUARE KYOTOの前に移設された2001号 (2024/05/08追加)
2008年1月20日　ページ新設 　2024年5月8日　写真ワイド化完了 　2024年5月8日　Safariで半角数字列が電話番号リンクされるのを無効化 　2024年5月8日　キャプション欄左右入替完了 　2024年5月8日　イベント毎昇順から形式毎時系列に並べ替え 　2024年5月8日　主な車両表(撮影済のみ)を追加 　2024年5月9日　主な車両表から写真へのリンクを設置 ■参考文献 　沖中忠順　京都市電が走った街　今昔　JTBキャンブックス