ED76
基本番台 500番台 550番台 1000番台

ED76 1001-1010 鹿児島本線熊本-鹿児島間電化開業用として,ED76 31-48号機と同時期に製作されています。客貨高速列車牽引用設備を持つことから1000番台が充てられています。機関車の本体はED76 31-48と同一で,外観上はスカート部のジャンパ類に差異が見られる程度です。位置づけとしては,ED73 1000ED75 300の後継機にあたります。高速形設備はED75 1000とほぼ等しく,電磁ブレーキ指令装置,応速度編成増圧ブレーキ装置,供給空気だめ圧力保持装置,元だめ管引通し構造,編成との連絡電話装置などを備え,20系客車,10000系貨車をけん引することができます。重連仕様であるED75 1000と比較すると,非重連方式のため,端面スカートにつり合い管ホース,KE77ジャンパ類の設置がなく,またSG搭載の関係から応荷重式増圧ブレーキ装置を追加しているなどの相違があります。

ED76 1011-1014 昭和48年度民有車両にて,山陽・九州線寝台特急列車増発用および九州線フレートライナー列車増発用として増備されたグループです。設計変更箇所は多く,1人乗務を考慮した運転台交換回路の新設,時刻表,電話機廃止,扇風機新設,主幹制御器の変更などが行われています。機器室では,低圧タップ切換器,逆転器,単位スイッチの変更や,ブレーキシリンダ圧保持装置の設置などがあります。屋上では交流避雷器がCB106真空遮断器に,パンタグラフ断路器の変更も行われています。スカート部では,KE59ジャンパ連結器栓受が撤去されKE72ジャンパ連結器栓受のみとなっています。機関車番号は梨地文字のブロック式となり,端面通風口は2位と3位の機関士側のみとなり,1位と4位は廃止されている点,また標識灯が電球外部交換式の小形灯体に変化している点,飾り帯が銀ペンキ塗装に変更されている点,が特徴です。

ED76 1015-1023 昭和53年度第1次債務にて,日豊本線南宮崎-鹿児島間電化開業用として増備されました。この9両がED76形の最終ロットとなりました。主な変更点は,主電動機のMT52B化,台車鋼板材,計器用変圧器の非PCB化,桜島の降灰対策としての運転室側窓のアルミユニットサッシ化,ブロック式ナンバープレートのステンレスエッチング文字化,などです。

機関車番号 製造年 製造所 発注区分名 発注名目 仕様変更点
ED76 1001 ED76 1002 ED76 1003
ED76 1004 ED76 1005 ED76 1006
1970 日立製作所 昭和44年度
第1次債務
鹿児島本線熊本-鹿児島間電化開業用 ED76 31-48ベースに高速列車牽引用装備付加
ED76 1007 ED76 1008 ED76 1009
ED76 1010 ED00 0000 ED00 0000
1970 三菱電機・三菱重工
ED76 1011 ED76 1012 ED76 1013
ED76 1014 ED00 0000 ED00 0000
1973 東京芝浦電気 昭和48年度
民有車両
山陽・九州線寝台特急列車増発用および九州線フレートライナー列車増発用 KE59ジャンパ連結器省略,ナンバープレートは梨地文字ブロック式
ED76 1015 ED76 1016 ED00 0000 1979 日立製作所 昭和53年度
第1次債務
日豊本線南宮崎-鹿児島間電化開業用 運転室側窓ユニットサッシ化,主電動機MT52B,ナンバープレートはステンレスエッチング文字ブロック式
ED76 1017 ED76 1018 ED76 1019
ED76 1020 ED76 1021 ED76 1022
ED76 1023 ED00 0000 ED00 0000
1979 東京芝浦電気

ED76 1003
No.123-12
1986年3月19日
ED76 1003
佐世保線 有田
有田駅にて待機中のED76 1003号機。ED76 1003号機は昭和44年度第3次債務,日立製作所にて1970年7月14日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されています。
(2023/03/03ワイド化)
ED76 1008
No.123-13
1986年3月19日
ED76 1008
佐世保線 有田
上と同じく有田駅にて待機中のED76 1008号機,昭和44年度第3次債務,三菱電機・三菱重工にて1970年8月11日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されています。
(2023/03/03ワイド化)
ED76 1010
No.120-32
1986年3月16日
ED76 1010+コキ
鹿児島本線 八代←肥後高田
八代からちょっと歩いた所で安易に撮影。手前の非電化線は肥薩線です。ED76 1010号機は昭和44年度第3次債務で製作された28両(ED76一般形18両,1000番台10両)の最終ナンバーで,三菱電機・三菱重工にて1970年8月13日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されています。
(2023/03/03ワイド化)
ED76 1015
No.120-29
1986年3月16日
ED76 1015+コキ
鹿児島本線 八代→肥後高田
手前のキロポストは肥薩線の1kmを示しています。ED76 1015号機は,昭和53年度第1次債務,日立製作所にて1979年9月13日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されました。最終ロットに当たる1015-1023までの9両には,桜島の降灰侵入を防止することを目的として,運転室側窓に高気密性アルミユニットサッシが採用されています。
(2023/03/03ワイド化)
No.D700_180317-115
2018年3月17日
4081レ ED76 1015+コキ
鹿児島本線 原田←天拝山
上の写真から32年ぶりに撮影したED76 1015号機牽引のフレートライナー。天拝山まで行って813系に裏カブリされてますが,順光なのでまあいいとしましょう。
(2018/03/18追加 2023/03/03シャドウ調整)
ED76 1016
No.120-27
1986年3月16日
ED76 1016+24系25形
4レ はやぶさ
鹿児島本線 八代←肥後高田
上のNo.120-32と同じ場所です。のんびりした雰囲気の田園地帯でした。ED76 1016号機は,昭和53年度第1次債務,日立製作所にて1979年9月20日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されました。
ED76 1021
No.123-23
1986年3月20日
ED76 1021+24系25形
4レ はやぶさ
鹿児島本線 西鹿児島
ED76 1021号機に牽引され西鹿児島4番線に据え付けられる4列車。春休みということで賑わっていました。ED76 1021号機は,昭和53年度第1次債務,東京芝浦電気にて1979年8月23日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されました。
(2023/03/03ワイド化)
ED76 1022
No.120-12
1986年3月15日
ED76 1022
鹿児島本線 門司
EF30からバトンタッチのため門司で待機中のED76 1022号機。バルブ写真で塗色がはっきりしないとEF81かと思います。ED761022は,昭和53年度第1次債務,東京芝浦電気にて1979年8月30日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されました。
(2023/03/03ワイド化)
No.120-38
1986年3月16日
ED76 1022+マニ
荷38レ
鹿児島本線 八代
16:43,八代に進入するED76 1022号機牽引の荷38列車。前の晩門司で撮影したカマでした。
(2023/03/03ワイド化)
No.D200_090307-54
2009年3月7日
ED76 1022+コキ
鹿児島本線 千早→箱崎
多々良川橋梁を渡るED76 1022号機牽引のコンテナ列車。この列車は本来撮影予定には入っていなかったのですが,41レ遅れのため撮影できました。
(2009/03/07追加 2023/03/03ワイド化)
ED76 1023
No.D200_090307-24
2009年3月7日
ED76 1023+コキ
鹿児島本線 千早→箱崎
上のED76 1022号機と同じく,多々良川橋梁を渡るED76 1023号機のコンテナ列車。小倉方面へ向かう上り885系の姿も見えます。ED76 1023号機はED76のラストナンバーとして,昭和53年度第1次債務,東京芝浦電気にて1979年9月6日に落成し,鹿児島機関区に新製配置されました。
(2009/03/07追加 2023/03/03ワイド化)

 2004年10月17日 ページ作成開始
 2005年4月24日 ページ新設
 2005年5月1日  キャプション更新
 2009年5月31日 キャプション追加,番台毎分離
 2009年6月7日  キャプション追加
 2009年6月13日 キャプション追加
 2023年1月24日 形式一覧表をページトップに移設
 2023年3月3日  キャプション欄左右入替完了
 2023年3月3日  写真ワイド化完了
 2023年3月3日  形式一覧表の機関車番号から写真へのリンク設置
 2023年3月3日  形式一覧表に製造年,仕様変更点を追記


■参考文献
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 14 鉄道ファン338 1989年6月号 交友社 (ED76 1001-1010)
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 16 鉄道ファン340 1989年8月号 交友社 (ED76 1011-1014)
 藤本勝久 交流・交直流電機出生の記録 19 鉄道ファン343 1989年11月号 交友社 (ED76 1015-1023)

基本番台 500番台 550番台 1000番台

Kano鉄道局TOP 蒸気機関車 電気機関車 ディーゼル機関車 客車 電車 気動車 新幹線